2015.9.16 教育委員会定例会での請願

 本請願は教育委員会に対し、審議経過について市民にわかりやすい説明を求めたものです。またこの請願に真摯に教育委員会は応えるよう、議会に働きかけをお願いする陳情を出しましたところ、子ども文教常任委員会で可否同数、委員長の判断で不了承になってしまいましたが、活発な質疑をしていただき、4名の委員に趣旨了承のご意思を示していただきました。

 

請願の項目について補足し、意見を述べます。請願項目1です。採択の審議冒頭、教育委員長は参考資料の一つとして市内の各中学校から提出された「教科用図書調査書」をあげられました。教科の専門家であり、日々子どもたちの指導にあたっている先生方の調査・研究ですが、歴史と公民では、この調査書で3年間使って来た先生方の評価が大変低かった育鵬社が採択されました。当日各委員の説明は、先生方の低い評価をくつがえして育鵬社の教科書が藤沢の子どもたちにふさわしいとする根拠も不明で、到底納得できるものではありません。

先生方の意向が尊重されるべき事は、当日の藤沢市の支援学校、支援学級の教科書採択で関野委員長自ら「実際に子どもたちと向き合っている先生方」を「全面的に信頼して全ての教科書を採択したい」と発言されている通りです。国会でも、今年4月、請願理由にあげたような答弁が行われています。私たちの会が提出した「採択では先生方や保護者の意向を尊重してほしい」という要望書の54.000筆を超える賛同署名は多くの方々の思いです。

教育委員の先生方が全ての教科書に目を通し、資料についても検討をされたと議会で委員会からお答えがありましたが、採択権者の権限と責任で選ぶと言っても、そもそも全教科・科目の120冊もの教科書や資料をレイマンである委員の方々が短期間にすべて読み込んで、選ぶことは困難ではないでしょうか。

 

2番目の項目です。公民で、小竹委員と関野委員長が育鵬社を、吉田教育長が東京書籍を推し、阪井委員と井上委員は育鵬社と東京書籍について意見を述べられました。教育長が重ねて意見を述べられた後、阪井委員、井上委員にはぜひ責任あるご発言をいただきたかったです。さらに委員長が、お2人の意向を確認してから、結論を導びく配慮が合議体としての教育委員会に必要であったと思います。

 

3番目の項目です。小竹委員は歴史の審議冒頭、3冊の教科書を「拝見しました」と話を始められました。何を根拠に8冊のうち3冊についてのみご覧になったのでしょうか。大きな問題であると感じました。ところが公開された議事録にはこの部分がありません。子ども文教常任委員会で,教育委員会は、議事録は要点やあらましを載せる規定で、わかりやすくするために調整することもあり、今回は誤解を避けるための修正というお答えがありましたが、とうてい納得できるものではありません。

教育委員の先生方は藤沢市民を代表して教育に関する要職を担っておられるわけですから、そのご判断には重大な責任が伴いますし、市民に対して大きな説明責任をもつものであると考えます。市民に対して請願の3項目についてわかりやすい説明をしていただけますようお願い申し上げます。以上で意見陳述を終わります。