育鵬社NO!! が、実現しました。
皆さまのご支援、ご協力に感謝します。
7月31日、藤沢市の教科書採択のための教育委員会が開催されました。
75名定員のところ、傍聴希望者は約2倍。抽選で当たった人は市民会館第一展示室に移動、外れた人は市民会館小ホールで音源の傍聴でした。
審議は、育鵬社に言及する教育委員は一人もなく、東京書籍か帝国書院かという議論でした。横浜に先立つ育鵬社採択地区の採択とあって、たくさんの報道機関が取材に入っていました。「良い教科書」として育鵬社の歴史と公民を手渡されてきた子どもたちの9年の歳月は一体何だったのかと思いました。
国語 |
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「藤沢市立中学校教科書採択にあたっては、中学校の先生や保護者の意向を尊重してください」の要望書は、皆さんのご協力で、37,872筆の賛同署名が集まりました。「藤沢の教科書・採択問題にとりくむ会」「みんなの教育・ふじさわネット」「神奈川の教科書・採択問題にとりくむ会」の三団体で、皆さんの思いを藤沢市教育委員会に7月9日に届けてきました。
藤沢市教育委員会は教育総務課長、教育指導課長、教育総務課主幹、教育総務課担当が対応してくれました。要望書を署名とともに手交したのち、参加者からも一言アピールさせてもらいました。「外国につながる子ども沢山在籍している藤沢市の子どもたちに配慮ある教科書にしてほしい」「戦中、戦後の教育を知る者として藤沢の教科書問題に関わらざるを得なかった」「小学生6年生の保護者として持つ危機感」「2011年以降の現場の先生方の苦労」等、その思いが語られました。「神奈川の教科書。・採択問題にとりくむ会」からは、署名が全県的な取り組みであったこと、全県的な藤沢の教科書問題への注目について説明がありました。
7月31日までに新たに200筆の署名が集まり、追加で提出しました。
藤沢市の中学校社会は、もう1年 育鵬社
もう一年育鵬社の教科書を使うことにはなりましたが、「問題がないので継続使用」という評価だけは回避できました。今年は4年に一度の中学校教科書採択替えの年でした。昨年、小学校が残り1年の採択替えでしたが、藤沢市教科用図書採択審議委員会では、4年間使用して問題がないとし、全科目の継続使用を決めました。「藤沢とりくむ会」は中学校の採択では、「問題がないので継続使用」とされるのは困る、問題があることを可視化したいと多方面の皆さんと協力して現場の先生方のアンケートを実施しました。使いにくいという先生方が8割という結果を5月、藤沢市教委に要望書の添付資料として提出しました。このHPにアンケート結果(←クリックしていただければ跳びます)を載せています。
採択の場で「使いにくい教科書もある」と報告された!
今年の第2回教科用図書審議委員会で、中学校の審議は「使用実績」を踏まえて行いたいと、委員の中学校校長が「使用実績」を報告することになりました。そこで「藤沢とりくむ会」は委員の2名を含め全19校の校長に前述のアンケート結果を送り、困っている実態を踏まえて採択するよう求めました。第3回の審議委員会では、審議委員の中学校校長が、校長会でも確認したこととして、「教科書によっては使いづらさがある」と述べました。結論としては継続使用が良いという答申になりましたが、「使いづらい」実態があることが明らかにされました。このプロセスは、採択の教育委員会の場(7月31日)でも教育指導課の担当者から説明があり、「教科書によっては、使いづらさがある」ということが明らかにされ、議事録にも残りました。
社会科の先生方のアンケートは、類似のものがないこともあり、注目されています。「全国ネット21NEWS」の依頼を受け、VOL.127に寄稿しました。また『週刊金曜日』(1247号 2019年9月6日 p.7)にジャーナリストの池添徳明さんが記事を書いてくれました。https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190921-00010000-kinyobi-soci
藤沢市の小学校の採択結果
2020年4月から市内の中学校で使用される教科書の採択が7月31日、市教育委員会臨時会で行われました。傍聴定員100名、希望者100名で全員が会場で傍聴することができました。
会議は、平岩多恵子教育長の司会のもと、審議委員会の答申、各学校からあげられた「教科用図書調査書」「調査委員会報告書」、教科書展示会での市民意見などの資料を踏まえて審議が行われました。会議の場で強調されたのは、使う先生方にとって使いやすい教科書という現場の研究成果と、審議委員会という専門機関での審議の尊重でした。
私たちは、教科書を使う、子どもたちの実情を知る専門家である現場の先生方の意見を尊重してほしいという声をあげてきました。藤沢市の場合、各学校で巡回展示が行われますが、概ね1週間で多忙を極める各学校で行事とも重なることも多く、新教育課程という大きな変化であったもかかわらず、十分な研究時間が保障されていなかったという声も、現場の先生方から聞きました。来年の中学校は、新教育課程の教科書採択です。ぜひ現場の先生方の研究・調査の時間確保を求めていきたいと思います。
藤沢市の採択結果(2020年から4年間市内の小学校で使用する教科書)
国語 |
光村図書 |
理科 |
大日本図書 |
保健体育 |
学研教育未来 |
書写 |
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東京書籍 |
英語 |
東京書籍 |
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教育芸術 |
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光村図書 |
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図工 |
開隆堂 |
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東京書籍 |
家庭 |
開隆堂 |
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子どもたちにとって教科書は、とても大切な教材です。毎日使う子どもたちへの影響の大きさは計り知れません。子どもたちに適切な教科書を選ぶことができるのは誰なのでしょうか。
国連「ILO・ユネスコ 教員の地位に関する勧告」では、専門職である学校の先生は教科書の採択でも重要な役割が与えられるべきであると書かれています。先生の意向が尊重されるべきという考え方は国際標準なのです。
さらには、教育当事者である保護者の意見も反映すべきことは文部科学省も指摘するところです。
ところが、この藤沢市では、一部の教科で、先生や保護者の評価が大変低い教科書が採択されています。どうしてこのような事態になっているのか、ご一緒に考えていきましょう。
公民的分野を発行している出版社は、東京書籍、教育出版、清水書院、帝国書院、日本文教出版、自由社、育鵬社の7社があります。
2015年の教科書採択で藤沢市教育委員会は、公民的分野で育鵬社の教科書を採択したため、市立中学校では3,500冊の教科書が使用されることになりました。全国的にみると、横浜市(26,840冊)、大阪市(18,500冊)、東大阪市(4,600冊)に次いで4番目に多い冊数となりました。