2015.9.1  藤沢市議会あて陳情書の提出

[陳情項目]

藤沢市教育委員会7月定例会における議題「平成28年度使用藤沢市立中学校用教科用図書の採択について」の社会科歴史及び公民の審議経過及び結論の導き方について、不明な点が多々あります。教育委員会に対し、3点について詳細な説明を求める請願を提出しました。

教育委員会が請願について十分審議をし、ホームページなどを通し市民に対しわかりやすい説明を行うよう、市議会から市教育委員会へはたらきかけてください。

教育委員会に回答を求めている3点は以下です。

1.社会科歴史・公民で現場の先生方の希望が全く反映されなかったのは何故か。

2.公民の審議で阪井・井上委員は育鵬社と東京書籍を並列的に推薦。しかし関野委員長は、再度2人に意見を求めることなく、育鵬社が若干多いと判断されたのは何故か。

3.小竹委員より、歴史の審議対象8冊のうち3冊だけを拝見した旨の発言があったことを傍聴者は確認しているが、議事録にその部分の記載がないのは何故か。

 

 [陳情理由]

7月29日に開催された教育委員会定例会での議題「平成28年度使用藤沢市立中学校用教科用図書の採択について」における社会科歴史及び公民の採択は、市内各中学校で作成した「教科用図書調査書」を全く無視して行われました。この資料は各学校の先生方の調査・研究結果を反映した資料で、3年間育鵬社を実際に使用した先生方が、藤沢の子どもたちには他社の方がふさわしいと判断した結果が現れています。

教育委員はレイマンとしてまず、子どもたちのことを一番よく知る現場の先生の意見に耳を傾けるべきです。当日の審議で教育委員が、育鵬社が優れた教科書であるとした発言は、出版社が作成した編集趣意書そのままの言葉が多く、「子どもたちが興味を抱く」とか「非常にできのよい教科書」等の教育委員の評価も、子どもたちの状況を良く知る、教育の専門家としての先生方の判断を覆す説明として妥当性を欠くものと言わざるを得ません。そもそも教育委員会における採択に教育の専門職である教員の調査・研究を十分吟味することは、本年4月22日の文部科学委員会で文部科学省初等中等教育局長も確認しているところです。当日別議題として審議された支援学校の採択では,本市においても、関野委員長は、先生方を全面的に信頼するとの理由を述べ、学校の希望通りの採択が行われました。

また公民では教育委員5人のうち、決定に至った育鵬社を推した委員が2人、東京書籍を推した委員が1人、残りの2人の委員は育鵬社と東京書籍の2社を並列して推薦していましたが、教育委員長は十分な審議を経ることなく結論に導いてしまいました。

歴史で審議対象は8冊であるのに、3冊だけを拝見した旨の発言は,多くの傍聴者が確認をしていますが,議事録には記載がありません。

このように、当日の議論は到底市民の納得できるものとなっていません。教育委員は、市民の代表として有償で藤沢市の教育に関する重要な決定を行う任務を負っているわけですから、納税者である私たち市民に対して説明責任があると考えます。本陳情は教科書の内容に踏み込むものではありません。あくまで審議経過の不明な点について説明を求める趣旨です。教育委員会宛ての請願の教科書採択に至る経過に対する不明な点について十分審議をし、ホームページなどへの掲載でわかりやすく公表するなど、広く市民に明らかにするよう市議会から市教育委員会へはたらきかけていただきたく陳情いたします。

 

              2015年9月1日

神奈川県藤沢市鵠沼海岸2-5-2スペースくげぬま内       

  藤沢の教科書・採択問題にとりくむ会            

代表  樋浦 敬子                  

 藤沢市議会議長

佐藤春雄 様